日本人作家の小説の最近のブログ記事
水滸伝 16 (16) (集英社文庫 き 3-59) (集英社文庫 き 3-59)
北方 謙三
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人には、志というものがあると知ったのだ。それは、躰(からだ)を流れる血ではなく、心を流れる血だとな。
梁山泊は戦によって、潰滅寸前にまで追い込まれていた。回復の時を稼ぐため、侯健(こうけん)と戴宗(たいそう)が偽の講和案を持って高俅(こうきゅう)に近づく。また晃蓋(ちょうがい)を殺した史文恭(しぶんきょう)が再び動き出した。名を変え、商人になりすまし、次なる標的のそばで暗殺の機を待ち続けている。それに対し、公孫勝(こうそんしょう)は袁明(えんめい)の首を狙っていた。堅牢な守りをかいくぐり、いま、致死軍が青蓮寺を急襲する。北方水滸、暗闘の十六巻。
昨年夏頃から読み始めていた北方版「水滸伝」刊行分は10月には追いつき後は毎月20日頃に発売される新刊を楽しみにしている状況です。
そんな北方水滸伝も後3冊で終わる。早く読みたいような、もっと続いて欲しいような感じだが、実はこの後に続編の楊令伝(ようれいでん)がすでに文芸書で四巻まで発売されている。まだまだ楽しみは続くなっ!
しかしこの水滸伝に出会うまで北方謙三は全く手に取った事がなかった。この作家の場合彼自身のイメージが先に強くて、作品に興味が湧かなかった。いまさらながら反省。このオヤジ只者じゃないぜ~ぇ!あつくるしいほどに熱い、そしてその熱さがイヤじゃない。
現代の軟弱な男達(俺も含めてね)よ、コレを読んで目を覚ませ!そして女性達よコレを読んでも今以上に強くならないでネ(←これが軟弱なのよ~)兎に角、全19巻読め!読みつくせ!!
08年2月2日終読
鯨の王
藤崎 慎吾
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小笠原諸島の深海で巨大鯨の骨が発見された途端、盗まれる。未知の鯨の可能性を指摘していたアル中の鯨類学者に、米バイオ企業から調査の依頼がくる。同じ頃マリアナ海域で米海軍攻撃型原潜(SSN)が襲われ、乗組員半数が変死を遂げた。調査に乗りだす米海軍、そして米バイオ企業に中東のテロ組織の思惑まで絡み合い、やがて……。
海洋モノは俺にとっても珍しいな。この作家さんハジメテ読むのだろうと購入時は思ったが、読み進めるうちに過去「ハイドゥナン」って作品を読んでいたことを思い出す。
この本を読んでいるときにリアルタイムで日本の調査捕鯨船に環境保護団体の抗議活動がニュースになる。関西出身の両親の元で育った俺は子供の頃比較的頻繁に鯨肉が食卓に上った。特にこの時期は鯨肉と水菜の「ハリハリ鍋」などよく食べたな。もし本当に個体数が激減し絶滅の危機にあるのなら、当然日本の食文化より保護が優先されるべきではあるが、捕鯨をしていない国が大多数を占める国際捕鯨委員会に決められたくはないし、あの団体が正義の団体ともチット思えないなぁ~
作品は概ね満足。人物の設定をもう少し細やかにしてくれるとより面白くなったのではないかな。
08年1月22日終読
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ベルリン飛行指令 (新潮文庫) 佐々木 譲 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
1940年、欧州戦線で英国スピットファイアに苦汁をなめていたドイツ空軍は極秘情報を入手した。日本で画期的な戦闘機が開発されたというのだ。驚異的な航続距離を誇る新戦闘機、その名は”タイプ・ゼロ”。三国同盟を楯に取り日本に機体移送を求めるドイツ。日本海軍の札付きパイロット安藤、乾の二人に極秘指令が下った。張り巡らされた包囲網の下、零戦は遥かベルリンの灯を目指す!
またまた続けて佐々木譲さんの作品であ~る!しかもほぼ一晩でイッキ読み!そして読み始めて順番を間違えていた事に気づく!!前回紹介した「エトロフ発緊急電」はこの作品の続編に当たるものでした~。まっ読む順番を間違えたからといって面白さは半減してないな。
この作品は事実を基にした冒険小説だと思ってよいのかな。俺の中ではもうすっかり零戦はベルリンに行った事になってしまった。そのほうがなんかロマンがあってイイじゃない?
しかもこの極秘指令を受けたパイロット安藤大尉と乾一空曹がカッコイイ。戦闘機乗りとはこうあって欲しいと思う理想の男達なのである。例えば、イヤイヤ俺がごちゃごちゃ言っちゃイカンナ兎に角読んでみてくれ~新刊で買っても780円!この値段で最悪な時代の最良な男達に逢えるのである、安いもんさ。
08年1月6日終読
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エトロフ発緊急電 (新潮文庫) 佐々木 譲 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
1941年12月8日、日本海軍機動部隊は真珠湾を奇襲。この攻撃の情報をルーズベルトは事前に入手していたか!?海軍機動部隊が極秘裏に集結する択捉島に潜入したアメリカ合衆国の日系人スパイ、ケニー・サイトウ。義勇兵として戦ったスペイン戦争で革命に幻滅し、殺し屋となっていた彼が、激烈な諜報活動が繰り広げられる北海の小島に見たものは何だったのか。山本賞受賞の冒険巨編。
08年最初の本です。昨年からはまっている佐々木譲さんの初期の作品。俺は彼の警察モノから入ったので戦時モノってのが以外でしたが・・・。
俺はこの作家さんの事知るのが遅すぎたな。こんな面白い小説を書く作家をつい最近まで知らないでいたなんて。俺のアンテナも存外役に立たないなぁ。
しかし世間的にももっと注目されてよい作家さんです。ただまぁ最近の日本の小説界に俺が感じるのはどちらかといえば子供向けの軽いものが売れてる気(それはそれで悪いとは思わないが)がするので、読み応えのあるズシット重い作品は難しいのかもしれないな。とっ言いつつ俺もこの作品は初版の頃知らなかったワケであまりえらそうな事は言えないんだけどね。実力に見合った版を重ねやっとめぐり合えた作品、戦争モノとは言え切り口が単なるドンパチモノとは違うので女性にも是非読んでもらいたいなぁ~
08年1月3日終読
笑う警官 (ハルキ文庫 さ 9-2)
佐々木 譲
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今年の俺の読書(小説部門)での最大の収穫はこの作家の出逢いかな。
とてもジミです。でもそこがリアルです。でもこの作品のラストシーンは
ガントレット
クリント・イーストウッド ソンドラ・ロック パット・ヒングル 
のラストシーン(の日本だったらこうかなって感じを)を彷彿とさせる感もあります。
裏金作り事件に世間の風当たりが強い北海道警。そんな中現役婦人警官がマンションで殺害されます。犯人とされるのは同じく現役警察官。麻薬の使用も疑われ道警からは容疑者への射殺命令が出されます。容疑者と目される警察官とかつてコンビを組んだ警察官が彼の無実を信じ独自に調査に乗り出すが、残された時間は24時間・・・。
読んでいて映像化されやすそうな作品だなっと思ってましたが、やはり映画化が決まっているようです。作品名も単行本の時は「うたう警官」だったのが文庫本化されるときに今回の「笑う警官」と角川春樹さんのアイディアで改題されたとか。映画も楽しみです。
さてさて今回で何度目かの仙台への旅である。
今回も俺を仙台に案内してくれるのは、今最も好きな作家の一人伊坂幸太郎さんである。
ゴールデンスランバー
伊坂 幸太郎
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今まで彼に案内された仙台は人類滅亡まで後数年に迫った仙台だったり、街角のCDショップで死神が試聴している仙台だったりとどれも魅力的な仙台ばかり。そして今回は首相公選制が施行されている日本の仙台である。
たった一晩彼の作品を頼りに自分の部屋で仙台の街を旅する。俺にとって至福の時間の一つである。
時には過去の時間、未来の時間、そして現在、彼に導かれる旅は時間旅行でもある。やや変則的に思える作中の時間軸に俺の意識は翻弄されながらもページをめくる手は止まらない。
物語の終盤近くになり今までの伏線が一つにまとまり大団円をむかえ本を閉じる瞬間、ある実在の権利保護団体のクレジットに一笑いする。ここまで計算してるのかなぁ?それとも俺の考えすぎ?どちらにしても今回の旅もよい旅でした。


