道楽日和: 2008年2月アーカイブ

 タバコが切れたついでに本屋にでも行こうと夕方の街にでる。

 車道の雪はすでに路肩へシャーベット状に追いやられているが、植え込みや歩道にはまだフワッとした雪が残っていた。

 子供の頃のように特に逸ることも無くそれを眺めながら歩いていると

 「あっ」という女の子の声と

 「バカっ」という男の子の声と同時に俺の肩に何かがぶつかる。

 肩を見ると雪が付いている。その先には小学校低学年位の男の子、さらにそのすこし先に幼稚園位の女の子。兄妹のようだ。

 肩の雪を落とそうとする俺に少年が近づいてくる。

 緊張した面持ちで「ごめんなさい」っとペコリと頭を下げる。

 少年の方に向き直ると妹が走ってきて少年の脇へとへばりつき俺の足元あたりを見ている。

 二人と俺の位置からしたら俺の肩に当たった雪球は妹が投げたものだろう。

 自分が投げたわけでもないのにあやまるおにいちゃんを見てか妹のほうも小さく「ごめんなさい」と続く。

 少年はまだ緊張した様子で俺を見ている。妹は下を向いたまま。

 「大丈夫だよ。それより気を付けるんだよ足元滑るからね」と俺が言うと少年の顔が明るくなり、妹が顔を上げる。

 ほぼ同時に「ウン」っと返事がくる。

 目指す方向へ向き直り歩きだす俺。

 後から小さな声で「お兄ちゃんコワイおじさんじゃなくてよかったね」

 「バカ聞こえちゃうだろ、それに走っちゃダメ、あのおじさんも滑るからって言ってただろ」っと二人の声が聞こえる。

 「おじさんかよ~」っと思いつつ何だか偶の雪もイイなと思う。

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