mokuzen: 2008年2月アーカイブ

 タバコが切れたついでに本屋にでも行こうと夕方の街にでる。

 車道の雪はすでに路肩へシャーベット状に追いやられているが、植え込みや歩道にはまだフワッとした雪が残っていた。

 子供の頃のように特に逸ることも無くそれを眺めながら歩いていると

 「あっ」という女の子の声と

 「バカっ」という男の子の声と同時に俺の肩に何かがぶつかる。

 肩を見ると雪が付いている。その先には小学校低学年位の男の子、さらにそのすこし先に幼稚園位の女の子。兄妹のようだ。

 肩の雪を落とそうとする俺に少年が近づいてくる。

 緊張した面持ちで「ごめんなさい」っとペコリと頭を下げる。

 少年の方に向き直ると妹が走ってきて少年の脇へとへばりつき俺の足元あたりを見ている。

 二人と俺の位置からしたら俺の肩に当たった雪球は妹が投げたものだろう。

 自分が投げたわけでもないのにあやまるおにいちゃんを見てか妹のほうも小さく「ごめんなさい」と続く。

 少年はまだ緊張した様子で俺を見ている。妹は下を向いたまま。

 「大丈夫だよ。それより気を付けるんだよ足元滑るからね」と俺が言うと少年の顔が明るくなり、妹が顔を上げる。

 ほぼ同時に「ウン」っと返事がくる。

 目指す方向へ向き直り歩きだす俺。

 後から小さな声で「お兄ちゃんコワイおじさんじゃなくてよかったね」

 「バカ聞こえちゃうだろ、それに走っちゃダメ、あのおじさんも滑るからって言ってただろ」っと二人の声が聞こえる。

 「おじさんかよ~」っと思いつつ何だか偶の雪もイイなと思う。

水滸伝 16 (16) (集英社文庫 き 3-59) (集英社文庫 き 3-59)
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北方 謙三


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 人には、志というものがあると知ったのだ。それは、躰(からだ)を流れる血ではなく、心を流れる血だとな。
梁山泊は戦によって、潰滅寸前にまで追い込まれていた。回復の時を稼ぐため、侯健(こうけん)と戴宗(たいそう)が偽の講和案を持って高俅(こうきゅう)に近づく。また晃蓋(ちょうがい)を殺した史文恭(しぶんきょう)が再び動き出した。名を変え、商人になりすまし、次なる標的のそばで暗殺の機を待ち続けている。それに対し、公孫勝(こうそんしょう)は袁明(えんめい)の首を狙っていた。堅牢な守りをかいくぐり、いま、致死軍が青蓮寺を急襲する。北方水滸、暗闘の十六巻。

 昨年夏頃から読み始めていた北方版「水滸伝」刊行分は10月には追いつき後は毎月20日頃に発売される新刊を楽しみにしている状況です。

 そんな北方水滸伝も後3冊で終わる。早く読みたいような、もっと続いて欲しいような感じだが、実はこの後に続編の楊令伝(ようれいでん)がすでに文芸書で四巻まで発売されている。まだまだ楽しみは続くなっ!

 しかしこの水滸伝に出会うまで北方謙三は全く手に取った事がなかった。この作家の場合彼自身のイメージが先に強くて、作品に興味が湧かなかった。いまさらながら反省。このオヤジ只者じゃないぜ~ぇ!あつくるしいほどに熱い、そしてその熱さがイヤじゃない。

 現代の軟弱な男達(俺も含めてね)よ、コレを読んで目を覚ませ!そして女性達よコレを読んでも今以上に強くならないでネ(←これが軟弱なのよ~)兎に角、全19巻読め!読みつくせ!!

08年2月2日終読

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